国際相続Q&A

 

 

Q1. どのような人が相続税の申告義務があるのでしょうか? 

 

相続が発生した時に、日本に住所を有していない相続人*1
(遺贈、死因贈与を含みます) 

   

 

   

 

   

相続人が日本国籍を有していますか?

 

制限納税義務者

 

      

 
   

被相続人*2または相続人のどちらかが相続開始前過去5年間に
日本に住所を有していたことがありますか

 

        

            

 
   

非居住無制限納税義務者

   
     

※1 相続人とは・・・被相続人の財産上の地位を承継する者のこと

(相続人となる者は、被相続人の子・直系尊属・兄弟姉妹及び配偶者である。)

※2 被相続人とは・・相続される財産、権利、法律関係の旧主体となる者

 

 

Q2. 制限納税義務者は、どのような資産について課税の対象になりますか?

 

制限納税義務者の課税の範囲は、相続発生時点で、日本にある財産を取得した場合に、これらの資産に対して課税されます。

 

 

Q3. 非居住無制限納税義務者は、どのような資産について課税の対象になりますか?

 

非居住無制限納税義務者の課税の範囲は、相続発生によって取得した財産のすべてに対して課税されます。

 

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Q4. 日本にある財産は、どのように決定されますか?

 

財産の所在場所は、相続税法で定けられています。それを表にまとめてみました。

 

財産の所在の判定

 

財産の種類

相続税法の規定

動産

その動産の所在による

不動産または不動産の上に

存する権利

その不動産の所在による

船舶・航空機

船舶・航空機を登録した機関の所在による

鉱業権・租鉱権・採石権

鉱区・採石場の所在による

漁業権・入漁権

漁場に最も近い沿岸の属する市町村
またはこれに相当する行政区画の所在による

預金・貯金・積金等

その預貯金等の受け入れをした営業所・
事業所の所在による

生命保険契約または損害保険契約などの保険金

これらの契約を締結した保険会社の本店

または主たる事務所の所在による

退職手当金・功労金等

退職手当金等の支払い者の住所、本店

または主たる事務所の所在による

貸付金債権

その債務者の住所、本店または主たる

事務所の所在による

社債、株式、法人に対する出資
または外国預託証券

その社債若しくは株式の発行法人、出資されている法人、または外国預託証券に係る株式の発行法人の本店または

主たる事務所の所在による

合同運用信託・投資信託または
法人課税信託に関する権利

これらの信託の引き受けをした
営業所、事務所等の所在による

特許権、実用新案権、意匠権、

商標権等で登録されているもの

その登録をした機関の所在場所

著作権、出版権等でこれらの権利の目的物が発行されているもの

発行する営業所、事務所の所在場所

上記財産以外の財産で営業上

または
事業場の権利(売掛金、営業権等)

その営業所または事業所の所在場所

日本の国債・地方債、外国債、外国の地方公共団体が発行する公債

日本

外国債、外国の地方公共団体が

発行する公債

その外国

上記以外の財産

被相続人の住所地

 

 

Q5. 外国税額控除(在外財産に対する相続税額の控除)を受けられる者は、日本に住所がある納税義務者だけですか?

 

いいえ。非居住無制限納税義務者を外国税額控除を利用することができます。

法人税法や所得税法では、外国税額控除は、国内で設立された法人や、日本に住所がある個人(居住者)にのみ認められています。

そうなると、相続税法でも、日本に住所がある相続人にしか認められないのではないかと疑問がわいてきます。しかし、実際は、非居住無制限納税義務者も、外国税額控除が認められています。

 

例えば、日本の国籍を持つ女性がアメリカ人と結婚し、日本からアメリカに移り住んで5年以内に、ご主人が亡くなられた場合を考えてみましょう。さらに、アメリカに不動産、日本に株式があったとします。

 

この女性は、①日本国籍を有し、②相続開始前5年以内に日本に住所を有していたので、非居住無制限納税義務者となります。従って、相続、遺贈によって取得したすべての財産について日本で課税されることになります。

 

一方で、アメリカの遺産税は、被相続人(ご主人様)がアメリカ市民でアメリカの居住者ですから、やはり財産のすべてが遺産税の対象になります。

 

そうすると、アメリカの不動産と日本の株式は、日米双方で相続税、連邦遺産税が課されることになりますが、日本と米国で、それぞれ、外国税額控除が受けられることになります。但し、日本の相続税上、外国税額控除を受けるためには、申告期限までに実際に課せられていなければなりません。つまり、課せられる予定では、受けられないのです。

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Q6. 相続税の申告書を提出しましたが、申告期限までに、国外にある資産に関して相続税に相当する税金が確定しなかったため、当初申告では外国税額控除は適用しませんでした。ところが、そののち、外国で、当地にある遺産に関して、当地の相続税に相当する税金を課されました。我が国の相続税法上、外国税額控除をうけることはできますか?

 

法人税や所得税では、期限内申告書で外国税額控除の金額を計算していない限り、外国税額控除は取れないことが税法で明らかにされています。従って、相続税法でも、期限内申告書で外国税額控除を計算しなければ認められないのではないかと心配されるか他もおられるのではないでしょうか?

 

ちょっと視点を変えて考えてみますね。期限内申告書を提出したのちに、後から外国税額控除を認めてもらうためには、「更正の請求」という手続きをとる必要があります。

更正の請求を認めてもらうためには、申告期限(相続開始後10か月後)から1年以内に更正の請求を行う必要があります。つまり、相続開始後22か月後までに、外国で支払うべき税金が確定していなければなりません。

 

いずれにしても、専門家の手助けを必要とします。ご連絡をください。

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Q7. アメリカのプロベイト(Probate)の概要を教えてください

 

遺言検認手続きと訳されていますが、相続財産が移転する方法の一つです。これは、ある財産について、故人以外の他からの請求権がないことを確認していくための一連のプロセスによって成り立つ一連の手続きであり、個人の所有していたすべての財産について行われます。

プロベイトの手続きは、裁判所を中心に、執行人が指名されます。通常は弁護士等が執行人になります。その手続きは、おおむね次の通りです。

    全資産のリスト作成とプロベイトの申請

    各債権者への通知

    各財産の評価

    各資産・支出の会計

    クロージングの申請

 

プロベイトの手続きは、概して6か月から3年程度かかるといわれています。

その中に、遺産税の申告(原則 相続発生から9か月、1年の延長可能)が入ります。

従って、日本の相続税の観点からは、外国税額控除、外国資産の評価の問題で密接にプロベイトの執行者と連絡を取る必要があります。

 

私どもでは、プロベイト手続きを代行していただける提携金融機関がありまので、プロベイト手続きを前にお悩みの方も気軽にご相談ください。

 

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